セキセイインコがずっと健康で、長生きして一緒に暮らしてくれるには、記事「インコが好む食事と健康のために必要な栄養素」で触れたように、やはり必要な栄養を過不足なく採っている事が重要です。
ですが、シード食はだいたい四種混合と言われる、ヒエ・アワ・キビ・カナリアシードを混ぜ合わせたものがほとんどで、大体の栄養は採れるものの、必要なビタミンやミネラルが不足しがちなんです。
美味しいから、これで充分だと思ってた!!!
pipi、残念っ!
では、次から成分を見ていきましょう。
四種混合されるシード食の成分について
では、 それぞれのシードにどのような成分が含まれているのか、まずは見てみましょうね。
※精白粒100gあたりの栄養価で表示しています。
※Wikipediaを中心に、様々な文献を参考にさせていただき、まとめなおしました。
四種混合される食事の一つ「ヒエ」の成分
カナリアシードと比較すると、ヒエはカロリーがやや控えめ。脂肪や蛋白質も少なめなのよ。
○炭水化物73.2g(食物繊維4.3g) ○脂肪3.3g ○蛋白質9.4g
[ビタミン類]
○チアミン(B1)0.25mg ○リボフラビン(B2)0.02mg ○ナイアシン(B3)0.4mg ○パントテン酸(B5)1.50mg ○ビタミンB6 0.17mg ○葉酸(B9)14μg ○ビタミンE 0.1mg
[ミネラル]
○ナトリウム6mg ○カリウム240mg ○カルシウム7mg ○マグネシウム58mg ○リン280mg ○鉄分1.6mg ○亜鉛2.2mg ○銅0.15mg ○セレン4μg ○マンガン1.37mg ○クロム2μg ○モリブデン10μg<br />[アミノ酸]<br />○イソロイシン450mg ○ロイシン1000mg ○リシン130mg ○メチオニン240mg ○シスチン140mg ○フェニルアラニン660mg ○チロシン350mg ○スレオニン(トレオニン)320mg ○トリプトファン110mg ○バリン540mg ○ヒスチジン210mg ○アルギニン270mg ○アラニン920mg ○アスパラギン酸570mg ○グルタミン酸2200mg ○グリシン210mg ○プロリン680mg ○セリン470m
[他の成分]
○水分12.9g ○水溶性食物繊維0.4g ○不溶性食物繊維3.9g ○ビオチン(B7)3.6μg
四種混合される食事の一つ「アワ」の成分
アワは低カロリーだけれど、ヒエよりも脂肪と蛋白質が多めなんだね。
○炭水化物69.7g(食物繊維3.3g) ○脂肪4.4g ○蛋白質11.2g
[ビタミン類]
○チアミン(B1)0.56mg ○リボフラビン(B2)0.07mg ○ナイアシン(B3)2.9mg ○パントテン酸(B5)1.83mg ○ビタミンB6 0.18mg ○葉酸(B9)29μg ○ビタミンE 0.6mg
[ミネラル]
○ナトリウム1mg ○カリウム300mg ○カルシウム14mg ○マグネシウム110mg ○リン280mg ○鉄分4.8mg ○亜鉛2.5mg ○銅0.49mg ○セレン2μg ○マンガン0.88mg ○クロム1μg ○モリブデン22μg
[アミノ酸]
○イソロイシン470mg ○ロイシン1500mg ○リシン220mg ○メチオニン380mg ○シスチン220mg ○フェニルアラニン630mg ○チロシン350mg ○スレオニン(トレオニン)440mg ○トリプトファン210mg ○バリン580mg ○ヒスチジン260mg ○アルギニン350mg ○アラニン1000mg ○アスパラギン酸790mg ○グルタミン酸2400mg ○グリシン300mg ○プロリン970mg ○セリン550mg
[他の成分]
○水分13.3g ○水溶性食物繊維0.4g ○不溶性食物繊維2.9g ○ビオチン(B7)14.4μg
四種混合される食事の一つ「キビ」の成分
キビは脂質が少なく高タンパクが特徴なのよ。
○炭水化物70.9g(食物繊維1.6g) ○脂肪3.3g ○蛋白質11.3g
[ビタミン類]
○チアミン(B1)0.34mg ○リボフラビン(B2)0.09mg ○ナイアシン(B3)3.7mg ○パントテン酸(B5)0.95mg ○ビタミンB6 0.20mg ○葉酸(B9)13μg
[ミネラル]
○ナトリウム2mg ○カリウム200mg ○カルシウム9mg ○マグネシウム84mg ○リン160mg ○鉄分2.1mg ○亜鉛2.7mg ○銅0.38mg ○セレン2μg ○クロム1μg ○モリブデン16μg
[アミノ酸]
○イソロイシン450mg ○ロイシン1400mg ○リシン160mg ○メチオニン350mg ○シスチン200mg ○フェニルアラニン630mg ○チロシン410mg ○スレオニン(トレオニン)350mg ○トリプトファン150mg ○バリン550mg ○ヒスチジン250mg ○アルギニン350mg ○アラニン1200mg ○アスパラギン酸670mg ○グルタミン酸2500mg ○グリシン250mg ○プロリン790mg ○セリン700mg
[他の成分]
○水分13.8g ○不溶性食物繊維2.9g ○ビオチン(B7)14.4μg
四種混合される食事の一つ「カナリアシード」の成分
カナリアシードは脂質が高く、主食で食べると肥満の原因にもつながっちゃうんだね。知らなかった!
○炭水化物60.9g(食物繊維7.6g) ○脂肪5.6g ○蛋白質21.7g
[ビタミン類]
○チアミン(B1)0.65mg ○リボフラビン(B2)0.09mg ○ナイアシン(B3)1.2mg ○ビタミンB6 0.16mg ○ビタミンE 2.49mg
[ミネラル]
○ナトリウム0.8mg ○カリウム363mg ○カルシウム29mg ○マグネシウム196mg ○リン583mg ○鉄分7.4mg ○亜鉛3.3mg ○銅0.7mg ○マンガン5.1mg
[アミノ酸]
○イソロイシン845mg ○ロイシン1647mg ○リシン563mg ○メチオニン412mg ○シスチン542mg ○フェニルアラニン1409mg ○チロシン780mg ○スレオニン(トレオニン)585mg ○トリプトファン607mg ○バリン1040mg ○ヒスチジン347mg ○アルギニン1387mg ○アラニン975mg ○アスパラギン酸953mg ○グルタミン酸5634mg ○グリシン672mg ○プロリン1344mg ○セリン975mg
[他の成分]
○水分13.8g ○不溶性食物繊維2.9g ○ビオチン(B7)14.4μg
シード食でまかなえない栄養素は?
ずらっとシード食の栄養素を紹介しましたが、それではインコに必要な栄養素と比較して足りない栄養素は何でしょうか?
美味しくていっぱい食べていたのに、だんだん身体がおかしくなっていっちゃったの…
そう、シード食では決定的に補えない栄養があります。“らい”は、その蓄積が影響して病気に発展してしまったのですね…
そこで本サイト記事「インコが好む食事と健康のために必要な栄養素」で示した表と比較して、まず足りない栄養素をピックアップしてみましょう。
- ヨウ素
- ビタミンA
- ビタミンD
- ビタミンB12
- ニコチン酸
- コリン
他にリノール酸や塩素がありませんが、リノール酸は脂肪ですのでシードで採れると推測されます。また塩分もたまに塩土を与えることで補えるかと思います。
ビタミンDはクル病などを、ビタミンB12は脂肪肝などを、不足すると引き起こすと言われています。シード食だけでは明らかに、健やかな成長には足りないのです。
シード食で足りない栄養素を補う方法について
じゃあどうすればいいの?
健康にいいからって不味い食事なんてしたくないよっ!
pipi、素直ですね~(笑)
でもそうですよね。人だって同じです。
人もそうですが、足りない時は補助栄養食。インコの補助栄養食として、よく名前が挙げられるのが「ネクトン」ですが、このうちシード食を主食とされる方にピッタリなのが「ネクトンS」です。その成分を見てみましょうね。
ヨウ素やビタミンA・B12・D、ニコチン酸など、コリンを除く足りない栄養素が入っていますよね。鳥のための補助栄養食は「ネクトン」と言われるのは、このあたりなのでしょう。
[まとめ]シード主食で長生きさせるためには
見てきたように、インコの食事をシード食だけにしてしまうと、明らかに補えない栄養があります。
補ってあげないと、インコは栄養不足になって病気を併発してしまうことも…。実際に我が家の\”らい\”はそうでした。栄養不足にならないように注意を払ってインコが健康に過ごせるようにしてあげるのは、共に暮らす人間の役目ではないかと思います。
今回ご紹介した補助栄養食はネクトンSですが、他にも多くの補助栄養食が出ています。是非そのような補助栄養食を利用し、シード食では摂取できない足りない栄養素をうまく補ってあげて、皆様の愛するインコがいつまでも健康で過ごせる身体になることを祈っています。
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